認知行動療法CBTとは
認知行動療法（にんちこうどうりょうほう、Cognitive Behavioral Therapy：CBT）は、心の健康を改善するための心理療法の一つです。
認知行動療法とは？
CBTは、私たちの「考え方（認知）」と「行動」に注目します。多くの患者さんは感情（気分）の落ち込み、コントロールができないというような主訴をお持ちでしょう。中には身体の症状もある方もいるでしょう。CBTは、認知と行動を変容して、感情と身体症状を改善するという心理療法です。多くの心理カウンセラーが用いており、精神科では診療点数として認められているエビデンス（科学的証拠）のある心理療法です。
認知行動療法の基本的な考え方
- 認知：私たちの考え方や思考や信念のことです。例えば、「私はだめだ」と思うことがあります。
- 行動：私たちが実際に行うことです。例えば、失敗を恐れて挑戦を避けることがあります。
- 感情：私たちが感じることです。例えば、悲しみや不安を感じることがあります。
これら３つは心の構成要素として考えられていて互いに影響しあっています。これをCBTサイクルといいます。
例えば
※私はだめだと思うことで目の前の仕事に挑戦できない＜認知→行動＞
※私はだめだと思うことで気分が落ち込む＜認知→感情＞
目の前の仕事に挑戦できないと 私はだめだと思う＜行動→認知＞
目の前の仕事に挑戦できないと落ち込む＜行動→感情＞
気分が落ち込むと目の前の仕事に挑戦できない＜感情→行動＞
気分が落ち込むとネガティブな考えになってしまう＜感情→認知＞
認知行動療法のプロセス
上記、※に着目して、認知から変容を目指します。そして練習（リハーサル）をして定着化させます
- 問題の特定：まず、何が問題になっているのかを明確にします。例えば、仕事のストレスや対人関係の悩みなどです。
- 思考の記録：日常の出来事やその時の思考、感情、行動を記録します。これにより、どのような思考パターンがあるのかを把握します。
- 認知の再構成：ネガティブな思考や不合理な信念（別ページに記載予定）を見つけ、それをもっと合理的な信念に置き換えます。例えば、「私は失敗者だ」から「誰でも失敗することがあるし、失敗する改善できる」という考え方に変えます。これをリフレーミングと言います。認知再構成法、再枠づけ法などともいわれます。認知療法の一番中心的な部分です。
- 行動の練習：新しい行動を試みます。例えば、避けていた挑戦を少しずつ試みるなどです。リハーサル（練習）をし定着化（般化）を目指します。行動療法の一番中心的な部分です
３と４を行うため、認知行動療法と呼ばれます。
認知行動療法の効果
CBTは、うつ病、不安障害、ストレス管理、パニック障害、強迫性障害（OCD）など、さまざまな心理的問題に効果があります。心理カウンセラーとの対話を通じて行われることが一般的ですが、自己学習用のワークブックやオンラインプログラムも利用できます。
