生きづらさを解消する方法
現代社会において、自己実現は全ての人に課される課題であり、生きる意味、生きる価値である、という考え方も一般的な考え方として共有されていると言えます。しかしその課題によって多くの人々が「生きづらさ」を感じていることも現実です。仕事や人間関係、自己実現に対するプレッシャーが増す中で、思い通りに物事が進まない経験は避けられません。
そして、人は思い詰めれた思い詰めるほど、「道はこれしかない」と無意識に思い込んでしまう傾向がありそうです。では、この生きづらさを解消するために、どうすれば良いのでしょうか。
交流分析では、「代替案」という考え方があります。今回は、この代替案について、お話しします。
生きづらさとは何か?
定義と背景
「生きづらさ」とは、日常生活において感じるストレスや不安、孤独感、自己肯定感の低下など、心身に負担を感じる状態を指します。現代社会では、競争の激化や情報過多、社会的な期待の高まりなどが原因となり、多くの人が生きづらさを感じています。
一般的な原因
- 高い期待とプレッシャー: 自分自身や周囲からの高い期待がプレッシャーとなり、達成できないと自己否定感が生まれる。
- 不確実性と変化: 急速に変わる社会環境や予測不可能な出来事が不安を引き起こす。
- 孤立感: 人間関係の希薄化や孤独感が心の負担を増やす。
「代替案」とは?
「代替案」の説明
代替案とは、「選択可能な選択肢。クライエントが行き詰まっているとき、彼らは代替案に気づいていないか、代替案を値引きしている(『交流分析事典』トニー・ティルニー著 実務教育出版、p.156 「代替案」から引用)」と考えられています。さて、ここで出ていくる「値引き」とは何か。
「値引き」の説明
値引きとは、「人が自己や他者、または現実場面のある面を過小評価あるいは無視する際に関与している内的なメカニズム(『交流分析事典』トニー・ティルニー著 実務教育出版、p.188 「値引き」から引用)」です。
値引きは、防衛機制が作動していることから起こると考えられているため、私たちが追い詰められた時に、「道はこれしかない」と無意識に選択しているその道は、自分が(もしくは他人が)一番傷つかないための方法(だと思い込んでいる)を選択していると思われます。
選択肢は本当に一つしかないのか?
選択肢は無限にあります
ここまで読み進めてきたあなたは、「あ、そうだよな。他にもやり方はある」「あ、こうすればどうだろう」とすぐに他の代替案を思いつく人もいれば、「いや、そうは言ってもやはりこの道しかないはず」と思っている人もいるでしょう。
何を選択すれば良いのか、それは、まず、自分がどうしたいのか、というところから考えてみましょう。
自分の思い描く「こうありたい」未来になるために、どう動けば良いのでしょうか。
そこには、自分を必要以上に過小評価する必要も、他人を第一に考える必要もありません。まずは、自分がどうしたいのかを考えてみましょう。
その上で、実現可能な選択肢をいくつかあげてみましょう。
そうしてみると、自分の中にこんなにも選択肢が出てくることに驚くかもしれません。自分の能力を値引きせず、たくさん代替案を出せた自分をまずは褒めてください。
選んだ選択肢が間違いだったとしたら
もし、その中の一つを選び行動したとして自分が思い描いていたような道に進まなければ、また、新しい選択肢を選び直せば良いことです。
人は、何度でも選び直すことができます。試行錯誤しながら、自分が好ましいと思う道を選んでいってください。
交流分析の哲学
哲学的前提があります
交流分析、略してTA(Transactional Analysis)には、哲学的前提があります。
- 人は誰でもOKである
- 誰もが考える能力を持つ
- 人は自分の運命を決め、そしてその決定は変えることができる
(『TA TODAY 最新・交流分析入門 第2版』イアン・スチュアート、ヴァン・ジョインズ著 実務教育出版、p.6から引用)
今回の話の中では、この3つ全てが当てはまるのではないでしょうか。
ぜひ、自分を値引きせずに、決断していってください。その決断に迷ったときは、一緒に考えるお手伝いができればと思います。
ぜひ、お声がけください。