シリーズ「人生の主役はあなた」第1回「ネガティブな自分を責めなくてもいいとしたら?」

こんにちは。カウンセラーのアサコです。
今回から、シリーズ「人生の主役はあなた」として、「私たちが成長を続けていくためのヒント」を5回に渡ってご紹介していきます。
「ネガティブな自分」を責めなくてもいいとしたら?
「またダメだった…」「自分は何をやっても上手くいかない」「もっと頑張らないと」
—— こんな風に、自分を責めてしまうこと、ありませんか?
でも実は、それが人間としてごく自然な反応だとしたら?
「ネガティブ思考は、人間の脳の仕組みとして当たり前のこと」
——そう考えたら、少し気持ちが楽になるかもしれません。
ネガティブになりやすいのは「脳のクセ」
心理学の研究によると、人間の脳はポジティブな出来事よりもネガティブな出来事を強く記憶する傾向があります。これは「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれ、進化の過程で生まれたものです(Baumeister et al., 2001)。
昔の人類にとって、「危険を回避すること」こそが生存のカギでした。そのため、「楽しかったこと」よりも「危なかったこと」「失敗したこと」に意識が向きやすくなっているのです。
つまり、ネガティブなことを考えてしまうのは、あなたが弱いからでも、性格の問題でもない ということ。
もし、「ネガティブに考えてしまう自分」をずっと責めてきていたならば、「今まで悪かったね」 と、声をかけてあげる必要があるかもしれません。
自己批判とセルフ・コンパッション
「もっと厳しくしなければ成長できない」そう思ってしまうこと、ありませんか?
でも実は、自己批判が強すぎると、ストレスが増え、集中力が落ち、パフォーマンスが下がることが分かっています(Neff, 2011)。
逆に、「セルフ・コンパッション(Self-Compassion)」——つまり、自分を責めるのではなく、親しい友人のように自分を労わること——ができる人は、より高いパフォーマンスを発揮し、ストレスにも強くなると言われています(星友啓, 2018)。
もし、ネガティブな考えが浮かんできたら、今日からはこんな風に心と対話してみるのはどうでしょう?
「自分を責めてしまうのは、脳の仕組みだったんだ」
「がんばってるのに、責められるなんて、自分が可哀そうかも」
「これからは、もう少し労わるような言葉をかけてみよう」
「人生の主役はあなた。内なる声を聴いていくために…」
スティーブ・ジョブズは、2005年のスタンフォード大学卒業式のスピーチでこう語っていました。
「他人の意見という雑音に、自分の内なる声をかき消されないようにしてください。そして最も大切なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。」
周囲の意見だけでなく、頭の中の厳しい声にとらわれてしまうと、「自分の内なる声」が聴こえなくなってしまいます。
シリーズ第2回目の記事では、「自分の内なる声…自分の本当の気持ち」とつながっていく方法をご紹介したいと思います。